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REPORT: まのいいりょうしと風の歌

会期:2018年11月7日(水)
企画:まのいいりょうし、してきなしごと



長引く秋の紅葉が色鮮やかな、安曇野・穂高の森、SIHTEKI NA SHIGOTO Gallery併設のリビングルームで、シンガーソングライター・風博士杉山による、ディナートークライブ「まのいいりょうしと風の歌」を、開催しました。現在は鳥取県に住まいを構え、漁師・猟師を日々の生業に、また主夫業も担いながら、音楽活動を続けている、風博士。このライブでは、今年自ら罠猟で仕留めた雌鹿を捌いて煮込んだ「まのいいカレー」を振る舞いながら、音楽家と漁師・猟師という二足の草鞋を履いた経緯、「まのいいりょうし」という屋号の物語、その思いを表現したシンボルマークのデザインについて、お話いただきました。後半は、薪ストーブの熾火が爆ぜて温かいリビングルームで、松本・good drink KINOのこの会に合わせたカクテルとともに、ライブを開催しました。

2017年の夏、してきなしごとは初めて風博士の歌声を聞きました。それは「まのいいりょうし」のシンボルマークのデザイン依頼を受けたときのこと。当時は松本にあったアトリエで、打ち合わせも早々にお酒を飲み交わすうちに、ギターを取り出し、歌ってくださったのです。風博士の歌声や音色は、なぜこうもその時や空間に馴染んでいくのだろうとその夜思いましたが、一年後のこの夜も、やはり同じように、歌声と音色がSHITEKI NA SHIGOTOの空間に染み渡ってゆきました。同じ一秒がとてもゆっくりと、目の前を流れていました。毎日山に分け入り、獣たちの歩いた道に目を凝らし、罠をかける。家に戻れば、子どもたちの滾るエネルギーに相対する。来る日も来る日もそうして命と向き合って暮らすからこそ、この美しい歌や舞台が生まれるのかもしれない。歌と、カレーと、カクテル、そして火の光に酔いながら、このひとときをご来場いただいた皆様と、楽しませていただきました。



Title: Go Uchida
Food: manoii ryoshi
Drink: good drinks KINO
Live: Kaze Hakase
Photo: SHITEKI NA SHIGOTO

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