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相川恵子個展 ままならぬそのまま

会期:2026年3月20日(祝)〜4月12日(日)
時間:11;00〜18:00
休廊:3月25日(水),31日(火)
   4月4日(土),5日(日),9日(木)



新進気鋭のアーティスト・相川恵子の長野県下では初となる個展を、SHITEKI NA SHIGOTO Galleryにて開催いたします。活動初期より「顔」をモチーフに、人の多面性や複雑さを描く姿勢は一貫しつつも、スタイルを疑って常に表現方法を模索するその姿勢とそのたびに生まれる作品の存在感は、合理性やバランス重視偏重の現代において、可能性を求め続けるからこそ見える世界の新しさがまだあることを示してくれるかのようです。その創作の変遷と情熱を感じていただくべく、一部新作も交えつつ、過去の作品群を中心に展示します。年度をまたぐ忙しい時期に開催する企画展として、ロングスパンの会期となっております。新進気鋭のアーティストの作品を直に鑑賞できるとても貴重な機会です。ぜひご来場ください。

Keiko Aikawa: 1989年新潟生まれ。長岡造形大学視覚デザイン学科ビジュアルアートコース卒業後に新潟を拠点に活動。2021年以降、毎年国内外にて個展を開催。2024年、細野晴臣「HOSONO HOUSE50周年記念カバー企画」としてCornelius“薔薇と野獣”配信ジャケットを担当。Instagram



Venue:
SHITEKI NA SHIGOTO Gallery

〒399-8301 長野県安曇野市穂高有明2186-96
Google Map / 駐車場有(混雑時は来場者同士ご協力ください)

Message by Go Uchida:
ぼくが相川さんの個展をSHITEKI NA SHIGOTO Galleryで開催したいと思った理由は、いくつもあります。が、とにもかくにもまずは、I was moved, fascinated, amazed...つまりは「強く惹かれた!」というのが大前提にあります。若い頃は悔しくて他人の秀でた才能を直視できないどうしようもないぼくでしたが、いつしか素直に「Marvelous! I’m a big fan of yours!」と(思うだけでなく)伝えられるようになりました。相川さんの作品も、数年前にSNSで見つけて、「うっわ....なんだーこんなかっこいい絵を描くアーティストがいるのか....」と感動。いつか個展をしてほしいなと思っていて、ついに声をかけ、実現に至りました。誘いに乗ってくださった相川さん、改めてありがとうございます。

今回の展示は、年度をまたいでの開催となりました。冬の終わりから、春の兆しを感じる3週間。世の中は例年「春」といえば「始まり、希望、未来...etc」とパッケージングしてきますが、実際には、未来に向かって意気揚々としている人、思いはあれどはじめの一歩を踏み出せずにいる人、どうしても過去が追い縋って希望に満ちている風を装うこの時期が苦痛の人などなど、人々はそれぞれのフェーズでこの時期を迎えていて、ぼくはこの時期って本来はもうちょっとデリケートに接したい季節だよねと思っています。そういうぼくも今やもう潔く“行け行けドンドン”で進める人間ですが(笑)、若い頃はもっと愚図っていました。生命が一度終わる冬から、新たに生まれようとする春に向かうわけですから、実は一年で最も過酷な時期のような気がします。

で、この季節をそれぞれのフェーズで迎える皆さんにとって、相川さんが描く「顔」の絵が、それぞれが抱く問いの鏡になってくれるんじゃないかと、ふと思いました。「これからどうなるんだろう」「これから向かう先には何が待っているんだろう」という思いを抱く季節に、「自分はこれから何者になるんだろう」「そもそもいったい何が自分なんだろう」という逡巡を、「顔」の向こうに繰り広げることができるんじゃないか。そんなひとつの鍵・機会としてこの展示を観ても面白いのではないかと、ぼくは思ったのでした。

ネット上で拝見したあるインタビューで、相川さんは「自分の認識や物の輪郭を超えて」、「できる限り複雑なものを複雑なまま」受け容れ、「わかりやすいかたちに単純化しない」で描きたいと答えていました。今回の展示タイトル「ままならぬそのまま」は、そんな相川さんの創作姿勢を、ぼくなりに言葉にし命名させていただいたものです。「顔」をモチーフにした抽象画ってややもすると徹底的にダークでヘビーなものになりがちですが、相川さんの作品は、その豊かなカラーリングと幾何学的なフォルムで、どこかに安易に偏ることなく、それでいて難しくならずに楽しく心地よく観ることができます。それもそんな創作姿勢によるところが大きいのではないでしょうか。いつもより長い会期でお届けするこの個展。ぜひ足をお運びいただきたいです。安曇野で、山の麓で、ギャラリーでお待ちしています。

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