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そらがしてきなしごとをみつけるまで12 「見えているもの」

目の前の景色を、ただ眺める。見えているものをそのまま受け取る。何かを感じ取ったりしないで、ただ、見つめることだけをする。共感したり、悲嘆したり、誰かに寄り添いたい衝動を抑えながら、ただ見る。今にもあふれ出しそうな想像力を、ぐっとこらえながら。

それもこれもすべて、ありのままを見るため。情景が目に入って、すぐさま感情移入や意味付けをしてしまえば、見えているものまで見えなくなってしまうから。

「見えていないものに対する想像は大事だ」と思うならば、なおさら「見えているもの」を知る必要がある。感情や想像力のフィルターをかけて風景を見ることは、楽しく、簡単で、優しい事なのかもしれない。けれど、何かと真っ向から向き合うつもりならば、まずは、世界をそのまま見ることからはじめないと。自分自身についてだってそう。現在の自分を淡々と眺めている。

見えている黒は黒のまま。この色の奥の、青や赤は見つけなくていい。白は白。見え隠れする、グラデーションは感じなくていい。1+1=2なら、それでいいじゃない。無理に答えを増やしたりしないで、まずはその事実を受けいれる。

見えているものが世界のすべて。今の私にはそれがすべて。見えているものを正面から見つめるということは、目前の今を知るということ。それをして初めて、言えるようになる気がします。きっと、見えているものだけがすべてじゃないのだと。

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