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そらがしてきなしごとをみつけるまで08 「さかな」

わたしはずっとさかなについて考えている
いつか海に行ったとき、上を向いて息絶えてるさかながいて、
それはそれは 誇らしげな顔をしてると思った
わたしはさかなについて想像した



たぶんさかなは、
海の中からずっと、そらを見上げていた
あのおおぞらを泳ぐ、とりになりたくて
うみのふかさと同じだけ、おおきなせかいがそらへ続いてることが
さかなにはわかっていたから

ときおり海辺に泳ぎにくる人間たちは、言っていた
いいだろこの足、歩けんぞ走れんぞー
うらやましいだろ、ええ? 人間になりたいだろ、

さかなはそれでも とりになりたかった
だから自分のいのちがもうすぐでおわるとわかったとき
今までになく 胸が高鳴らせて浜辺へおよいでいった
ああやっと とりになれる 
さかなは砂の上、胸を張ってしんでいった
わたしの想像は ここまで



わたしはずっと、自分はさかなみたいだと思っていた
水面下、いっくらうごいても波は起きないし、地上からはこちらの息も聞こえない
人間になれたらと思ったけれど いやさかなもわるくないとも思った
ひかりがきれいだし。みずのなかはうつくしいから。
人間のいる地上なんかすっ飛ばして、とりになってやる
エラ呼吸も肺呼吸もくしして はねでおよいでやる 
みずをみると さかなだったころをおもいだす

さいきんは あんまり自分をさかなだとは思わない
人間で良かったとおもう
なぜなら人間は 詩をかく
そこがすきだから

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