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詩集『鬼は逃げる』/ 三輪舎

著:ウチダゴウ
装丁:髙田唯(Allright Graphics)
発行:三輪舎


「鬼は逃げる/意味と想像の 追っ手から/愛と悲しみに 満ちながら/ただ 生きようとして/町から町へ 駆け抜ける」(表題作「鬼は逃げる」より)。言葉を生業にしながらも、意味や想像、夢や希望によって拘束されまいと、町から町へと逃げていくおのれを鬼に喩える表題作「鬼は逃げる」。東京から松本、安曇野へと居を移し、またスコットランド・エディンバラでの定期的な詩作を経て、積み重ねてきた10年のしごとを〈朗読会〉として振り返る、ウチダゴウ自選詩集。

これまでに執筆してきた多くの詩から、50編をウチダゴウが自ら選りすぐり、また11のエピソードを交えて、一つの朗読会を開催するかのようにまとめた一冊。してきなしごとから出版された書籍、アーティストや異業種とのコラボレーションなど、すでに公に発表された作品だけでなく、個人や企業からのオーダーに執筆したもの、第2の拠点である英国・スコットランドの旅とともに綴られた詩、特定の朗読会のために書き下ろされた詩など、未収録作品も多く含まれる。ブックデザインは、してきなしごとのロゴマークもデザインしたグラフィックデザイナー・髙田唯氏(Allright Graphics)。校正を、フリーランスの校正者として、書籍の校正を多く手がけている牟田都子氏。印刷は、三輪舎との縁を産んだイベント・心刷祭を開催した藤原印刷。推薦文を、作家・梨木香歩氏が寄せている。


Poems:
発表会 / 森の熊 / 雪男 / きょうりゅう / そのへん / るすばん / 孤独の一生 / ひつよう / くじら / ねつ / 蜜壷の潜水士 / いえ / 七階の少女 / しょうじきもの / うそ / しょうねん / いっそ / ししゅんき / 気分屋 / 夜話 / 公園のカフェ / せみ / 崖で / こすもす / 悲しむソルフェージュ / やどのまど / 野辺に死ぬ / ごご / あきたつ / ねっこ / てがみ / かぞく / ひかり / イヌより / はる / 空き地の総理 / だれか / 愛 / 天体少年 / 分かつ森 / 私の庭 / 道具屋の途方 / 栞日 / しずくはつたう / とこしえ / monologue / 落葉 / 渡り / 告白 / 鬼は逃げる(全50編)

Details:
著:ウチダゴウ
デザイン:Allright Graphics(装丁=髙田唯、組版=山田智美、コーディネート=髙田舞)
印刷:藤原印刷株式会社(営業=藤原章次、印刷=内山和希・唐澤匡孝)
製本:株式会社渋谷文泉閣
校正:牟田都子
発行:株式会社三輪舎(発行人=中岡祐介)

2020年12月23日発行
サイズ B6変形
上製 / 176P

価格:2,200円+税


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[ 梨木香歩さん推薦 ]
人生のいっとき 詩人になることはたやすい そういう人を何人も見てきた 心の叫びを 哀歓を 詩にしてきた若者たちが 就職し 家庭を持ち 生活のなかでいつしか 詩とは無縁の日々を送っている 詩人で在り続けることは かくも難しい
十年前 東京から松本へ移ったウチダさんに 詩人であることをやめないでください と私は 無責任にも いった たとえこの先 詩と無縁の生活を送ることになっても 詩人で在り続けることはできる そういう証が 欲しかったのだと思う

ウチダさんは 生活も 仕事も 詩から遠ざけなかった
風から与えられ 自力でつかみとり 見い出したいくつものツールで 言葉の源流へと遡行する 長い長い 旅のために
そういう詩人になった
(梨木香歩)

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