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REPORT: 清水美由紀個展「詩の写真/くらしをかざる写真」

会期:2019年9月20日(金)〜 10月7日(月)
作家:清水美由紀
企画:してきなしごと
協力:栞日



クライアントワークとしての写真撮影に長く携わってきたフォトグラファー・清水美由紀の、初めてとなる個展を、SHITEKI NA SHIGOTO Galleryと、松本の栞日の2会場で、同時開催しました。SHITEKI NA SHIGOTO Galleryでは、「これからの清水美由紀」を表現。目的や被写体が明確なこれまでのクライアントワークとしての撮影から一歩離れて、心や意識、形のないものを描く撮影に挑むべく、ウチダゴウの架空の依頼「詩の撮影」を題材とした写真作品を撮影していただき、展示しました。いっぽう、栞日では、写真をインテリアとして飾ることを前提に選りすぐった写真作品を展示。近年学んだテーブルスタイリングの感性をもとに、単に写真を壁に陳列するだけでなく、どんな部屋にどう置いたらいいか、どんな気持ちのときにどこに飾ればいいかなど、提案も行いながら、「これまで清水美由紀が培ってきたもの」を表現しました。

会期中は、両会場を、東京、神奈川、千葉、静岡と、様々な場所から、多くのファンが来場。SHITEKI NA SHIGOTO Galleryで特徴的だったのは、どの方も滞在時間が長かったこと。ゆっくりと、そして何度も、わずか5点の写真を、堪能していってくださっていました。清水美由紀の写真は、愛される写真なのでしょう。いらっしゃる多くの来場者が、彼女がSNSに投稿する写真を見続け、あるいはいつかのワークショップに参加していたり、仕事をした媒体をすでに手にしていたり、とても愛されていることが伺い知れました。いま目の前の作品を通して、これまでの自分やこれからの自分に対して挑戦しているその姿は、来場者の心を掴み、中には思わず涙していた方も。来場者数や売上に目が行きがちですが、作家と来場者が互いにエンパワーメントしていく機会としての企画展開催を、今後も試みてゆきたいと思います。


DM Design: Go Uchida
Producing: SHITEKI NA SHIGOTO
cooperation: sioribi

安曇野・SHITEKI NA SHIGOTO Gallery

松本・栞日

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