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REPORT: ナカムラルイ個展「Living」

会期:2022年8月11日(祝)〜 8月21日(日)
時間:10:00 〜 18:00
企画:ナカムラルイ
主催:してきなしごと



11日間に渡って開催したナカムラルイ個展「Living」は、イラストレーター・ナカムラルイにとって初めてのソロ個展。松本市や長野市のように人口も人通りも多い街とは違い、穂高有明の森にあるSHITEKI NA SHIGOTO Galleryの来場者数は、普通のギャラリーほど多くありません。これまでの展示では、長い会期中にたいてい一人も来ない日が1〜2日あるのが常でした(にもかかわらず、最終的にはしっかり売れるのが不思議)。が、今回は来場者数ゼロの日がない展示となりました。アーティスト本人の知り合いや友だち、ギャラリーやしてきなしごとの常連客、そしてお盆休み・夏休みということもあって、他県から観光で来ていた人たちがそれぞれほぼ同じ割合でご来場いただいていた気がします。初めてのソロ個展で、新しい機会を求めていたアーティストにとっても、いい感触をバランスよく得ることのできた11日間だったのではと願っています。結果としても、全39作品のうち、3点を残してすべて売約となり、初めてのソロ個展として大成功だったのではと思います。

アーティストの最も大事な仕事は当然〈創ること〉ですが、してきなしごとでは、同じくらい〈売ること〉が大事だと思っています。自分を知る人に作品を買ってもらうことだけに満足せず、初対面の人に実際に相対して、自身の作品の魅力を伝え、同時に、その人の欲しているものを感じ取り、そしてどの作品のどんなところがその要求に応えられるかを伝え切る、それをめげずに最後までやりきること。その営みをサボらずに続けてゆくことが、自身の新たな創作の可能性や仕事の領域の広がりにつながっていくからです。逆を言えば、無意味な謙遜や遠慮、自信のなさを理由に甘えているようなら、可能性は狭まるばかりであるということ。その意味で、次の可能性に溢れていた11日間でした。アーティストも、来場者も、みんないい表情をしていました。ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。