Gallery programmes/reports/info

Botanical Poetryscape/植物詩景

会期:2019年6月15日(土)〜 6月23日(日)
時間:11:00 〜 18:00(閉館日なし)
在廊:2019年6月16日、22日、23日



にわに、みちに、くさがはえてる。
えきに、まちに、はながさいてる。
きおくに、こころに、きがたってる。
うたがきこえて、においがする。
てがみをかいて、たしかめてみたい。
このふうけいに、きみもいる。
わらって、ないて、いきてる。

この星には、人間よりもはるかに多く、はるかに長く、植物が棲んでいます。人のいない風景はあっても、植物の姿を感じられない風景を探すのは、むつかしい。私たちが目にしている風景は、言ってみれば、ほぼ「植物がいる」風景です。そして、その風景は、地上だけにとどまらず、私たちの記憶や、感情にも、広がります。根を張り、葉を広げ、花を開き、枯れて、朽ちても、なお、どこまでも及んでいく。ボタニカルアロマデザイナー・ポインターすみれ氏とのコラボレート企画である本展示では、「植物がいる風景」を、詩人が5つの詩にしたためて、ハンドライティングのアートを制作。ボタニカルアロマデザイナーは、詩から5つの香りを調香。5つの詩はレターセットとして、香りは1つをお選びいただき、お持ち帰りいただくことができます。その他、文香としてのブレンドオイルセット(オイル+ムエット)の受注販売もありますので、合わせてお楽しみください。

Botanical / 植物に関する、植物学上の、植物性の
Poetryscape /「poetry(詩)」と「-scape(〜の風景)」を掛け合わせた造語。

Profile:
ポインターすみれ / ボタニカルアロマデザイナー。海と山に囲まれた三重県の小さな町で、子供時代を過ごす。1999年渡英。美大で学びつつ、ガーデニングやハーブ、アロマが身近にある生活に魅力を感じ、図書館と庭を師とし、楽しみながら学ぶ。2011年帰国。ワークショップやレッスン、精油のパーソナルブレンドなど、「issou」の活動を始める。松本在住。


Letter set & Botanical Scent Oil


本企画展から生まれたレターセット。植物のある風景をしたためた詩5編の便箋(縦書・横書)10枚と、封筒5通を一組に。限定100セット。本企画展開催中のみ、issouによるボタニカルアロマとともに、ご購入いただけます(5種から1つをお選びください)。

specification:
便  箋:A5(148×210mm)、10枚(詩5編×2種)
封  筒:洋2ダイア封筒(A5二つ折)、5枚
香  り:5種から1種を選択(香りを染み込ませた木片をアルミミニケースに)
予定価格:税込1,650円/会期中の限定価格です。

-

Poetry Reading


本企画に合わせて執筆した5編の詩の朗読会です。朗読前には、ポインターすみれ氏とともに、SHITEKI NA SHIGOTO Gallery周辺の森を散策。梅雨の季節、豊かな湿度、森を過ぎる風、立ち込める匂いをご堪能いただいた後で、アトリエにて朗読をお楽しみいただきます。

Date:
2018年6月23日(日)
17:00 開場 18:00〜20:00 散策と朗読

Venue:
SHITEKI NA SHIGOTO Gallery
〒399-8301 長野県安曇野市穂高有明2186-96

Fee:
2,000円 + 1drink order
※ issouオリジナルのブレンドハーブティーをお楽しみいただけます。
※ 森を散策します。動きやすい格好、雨天時のご用意をお願いします。

Seats:
先着15名 / 予約必須

Booking:
info[at]shitekinashigoto.com
氏名・人数・メールアドレスをご記入の上、上記宛先までお申込ください。なお、キャンセル料はありませんが、キャンセルの場合はご一報いただけますと幸いです。


Message from Sumire Poynter:
Botanical Poetryscape
詩と香りのこと

今年の初め、ゴウさんとの初めての打ち合わせの場で、お互いの仕事のこと、詩のこと、香りのこと、植物のこと、イギリスのことetc 色々な話をしました。そして、スコットランドへの旅を終えたゴウさんからのnew projectについてのメールを受け取った時に、’植物’をテーマのまんなかにおいて考えて下さったことがとてもうれしくてワクワクしたことを思い出します。

そこから始まったコラボレーション、ゴウさんの植物への眼差しから綴られた詩と、その詩から広がる植物のある風景に足を踏み入れ、そこにある色、匂い、音、気配、感情...のカケラを拾い集めて見えてきた香りたち。その間、何通ものメールのやり取りや時には顔を合わせて語らいコラボレーションを進めてきました。

いつも香りを創る場合、「目的・用途のヒアリング→リサーチ→イメージ/テーマを絞り香りの設計図を作る→フォーミュレーション→サンプル→ 微調整、仕上げ」という工程で進めていくのですが、今回は 詩の香りということで、まっさらな状態で触れてみることから始めました。ひとつの言葉から、センテンスから、ストーリー、風景の中に 色があり、匂いが漂い、音がざわめく...そこにある気配、滲み出る感情をすくい上げようとして指の間からこぼれ落ち、またすくい上げるという作業を繰り返す。その言葉から発せられるものやことに対する膨大なリサーチ。ゴウさんによって綴られた詩の中の植物たちは ベランダから宇宙まで...実に様々な風景の中にいて、私は時にそっと忍び込んでみたり、はるか彼方から眺めてみたり...時々戻れるのかなあと困ったりもしたけれど(笑)楽しかった!

私たちが暮らすこの世界の隅々まで匂いは満ちていて、いたるところに植物たちの姿もある。野山だけに生えているのではなくて、ビルの谷間にも、いつも歩く道端にも佇んでいたりもするし、コンクリートの裂け目からも顔を出す。そこに土と水があれば落ちた種は芽吹く。そしてそこで生きる。植物たちの姿形はまさに生きるための形であり、目を凝らしてみるとその凜とした無駄のない美しさにハッとする。

5編の詩とそこに漂う香りからそんな植物たちがいる風景を覗きに足を運んで頂けるとうれしいなと思います。

感謝を込めて

Tags: