Design

菊の湯のロゴ

長野県松本市の中心地で、昭和20年代に公衆浴場となり、3代に渡って営業を続けてきた銭湯「菊の湯」を、2020年に松本の書店・栞日が継承した。継承にあたり、依頼を受け、新たなロゴマークをデザイン。「街の人の銭湯でありつつ、より開かれた銭湯へ」「人との距離を改めて感じられる場へ」「変わりゆく時代に愛し続けられる風景に」「街と自然が持ちつ持たれつであることを体感できる場に」「これまでの栞日からこれからの栞日へ」と、様々な思いをヒアリングした上で、「受け継ぎ、次世代に繋ぐ」というテーマを探し出し、そのテーマをもとにデザインを進めた。全体は、従来の家紋「菊水」をモチーフに、新しいフォルムに。上部は、菊花の形・カランの形であるのと同時に、一つの湯船を共有する銭湯ならではの人と人との距離感や、芯から温まる温度色。下部は、松本の街を見守る山・森・川・湧水といった豊かな自然や、その恩恵に与り成り立つ湯船を打つ波。すべてが途切れずに繋がっていくことを、すべての線をグラデーションで描くことで表現した。日本語のロゴタイプは、栞日のオリジナル書体を継承しつつ、初代の栞日ロゴタイプでは接していた払いの部分を離すなど、これからの栞日として、その進化を含ませた。英語のロゴタイプも、初代栞日の英語ロゴタイプが正体だったのに対し、斜体にし、かつイタリック体のように右に傾くのではなく、反対側に傾け、銭湯に浸かりくつろぐ姿勢=リクライニング書体を生み出した。


Client: sioribi
Direction, Design: Go Uchida

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